一眼カメラ用の外部マイクの選び方とオススメ11選
最近は一眼カメラに外部マイクを装着しての撮影スタイルが増えてきていますが、その時に気になる外部マイクの選び方とオススメのマイクについてまとめてみようかと思います。
外部マイクを使うメリット
最近は一眼カメラで動画撮影を行う人が増えてきましたが、一眼カメラの内臓マイクは性能が貧弱なものが多く、キレイな音質で動画撮影したい方には外部マイクの使用を強くオススメします。
対象の音をよりハッキリと録音できりたり、臨場感のある音を録音できたりと、音質は各段に向上させることができるほか、余計な雑音を減らせるというメリットもあります。
特に内臓マイクの場合、カメラの操作音やレンズの駆動音のような雑音を拾ってしまう場合があるのですが、外部マイクを使用するとこれらの雑音を大幅に軽減することができます。
また、たいていの外部マイクには風防が付属しており、屋外の撮影では風切り音を低減することも可能です。
外部マイクの選び方
外部マイクを選ぶに際に確認しておくべきポイントについて以下にまとめてみたいと思います。
指向性について
指向性とはどの方向の音を集音するかどうかの性質を表したものであり、主なものに無指向性、単一指向性、超指向性があります。
【無指向性】
無指向性とは360度すべての方向からの音を集音する特性のことを指します。一眼カメラの内臓マイクはほとんどが無指向性です。コンサートホールような広い空間や大勢での会議の場ではあえて使用される場合がりますが、周りの雑音までも集音されてしまうので扱いには注意が必要です。
【単一指向性】
ある方向からの音を狙って集音するのが単一指向性であり、一眼カメラ用の外部マイクのほとんどは単一指向性になっています。狙った方向の音はしっかりと集音しつつ、後方の音は集音しない構造なので、一眼カメラでの撮影には適した指向性特性と言えます。
【超指向性】
鋭指向性とも呼ばれ、単一指向のマイクよりもより狭い範囲の音を集音することができます。ガンマイクと呼ばれるタイプのマイクはこの超指向性を持っており、遠くの音を集音する状況にも適しています。
モノラルかステレオか?
一眼カメラの外部マイクには大きく分けてモノラルとステレオの2種類があります。
なんとなくステレオのほうが良さそうな印象を受けるかもしれませんが、それぞれに適した状況があり、状況に合わせて選ぶのが基本です。
【モノラル】
インタビューや自分撮り映像など、音の発生場所が1か所の場合にはモノラルでの録音が適しています。実際、モノラルタイプの外部マイクは指向性の強いものが多く、狭い範囲の音を収音するのに優れた製品が多くなっています。
【ステレオ】
大人数の人を一度に撮影したり、コンサート会場のような広い空間での撮影では、より臨場感が得られるステレオでの録音が適しています。
ウィンドジャマーかウィンドスクリーンか?
屋外の撮影時によく入ってしまう風切り音を低減させるためにマイクに被せるものを「風防(ふうぼう)」といいます。
そして、その風防にはウィンドジャマーとウィンドスクリーンがあります。それぞれの特徴は以下の通りです。
【ウィンドスクリーン】
ウィンドスクリーンとは黒いウレタン製のスポンジのようなもので作られており、風防としての性能はそれなりですが、音質への影響が少ないので常時装着したままで使われたりします。
【ウィンドジャマー】
ウィンドジャマーはフワフワの毛で覆われたタイプの風防で、風防としての性能はウィンドスクリーンよりも上です。ですので、強い風の中で撮影をしなければいけな状況ではウィンドジャマーのほうがオススメです。ただし、高音域の音が若干減衰する場合もあるので、必要な状況下でのみ使用するのがいいと思います。
プラグインパワー方式か電池式か?
電源方式はマイクによって様々なのですが一般的な外部マイクであれば、プラグインパワー方式か電池式のどちらかです。
【プラグインパワー方式】
カメラのマイク端子から電源を供給するタイプです。単純にカメラとマイクをケーブルで繋げるだけで使用でき、扱いやすいのが特徴です。
【電池式】
プラグインパワー方式に比べると、ノイズが乗るなどの相性問題が出にくく安定しており、比較的高価な外部マイクほど電池式を採用している傾向があります。ただし、電池の残量には常に気を配らなければならないという手間も発生します。
オススメの外部マイク一覧
以下、定番のものから最近発売された外部マイクまで、オススメのマイクをまとめて紹介します。
※ 価格は記事執筆時のアマゾンでの販売価格を参考にしています。
※ 値段の安いものから順に紹介しています。
RODE VideoMicro
指向特性 | 重量 | 電源 |
単一指向性 / モノラル | 42g | プラグインパワー方式 |
風防 | ショックマウント | 値段 |
ウィンドジャマー付属 | あり | ¥6,500 |
コストパフォーマンスに大変優れており、外部マイクの入門機としてもオススメの外部マイクです。
低価格でありながら、ウィンドジャマー付き、ショックマウント付きという、外部マイクに必要な装備は十分に備わっています。
また、軽さとコンパクトさも大きな特徴のひとつであり、バックに忍ばせて気軽に持ち運びするマイクとしても最適です。
オーディオテクニカ AT9941
指向特性 | 重量 | 電源 |
単一指向性 / ステレオ | 約76g | プラグインパワー方式 |
風防 | ショックマウント | 値段 |
ウィンドジャマー付属 | – | ¥7,000 |
2008年に発売されて以来、今だに売れ続けている超定番の外部マイクです。
シンプルなデザインと構造で扱いやすいく、低価格ながら手軽にステレオでの録音が可能です。
ショックマウント機構はついていませんので、振動には気を付ける必要があります。
RODE VideoMic GO
指向特性 | 重量 | 電源 |
単一指向性 / モノラル | 73g | プラグインパワー方式 |
風防 | ショックマウント | 値段 |
ウィンドスクリーン付属 | あり | ¥8,200 |
上記で紹介したVideoMicroと同じロードの外部マイクです。
基本的な性能はVideoMicroほぼ同じであり、同じようにコストパフォーマンスに優れたマイクです。
VideoMicroと比較すると、VideoMic Goのほうがやや指向性が高いので、遠くの音も拾いやすいという特徴があります。
ただし、VideoMicroがモフモフのウィンドジャマーなのに対して、VideoMic GOはスポンジ状のウィンドスクリーンなので、風切り音の低減能力ではやや劣ります。
TASCAM TM-2X
指向特性 | 重量 | 電源 |
単一指向性 / ステレオ | 75g | プラグインパワー方式 |
風防 | ショックマウント | 値段 |
ウィンドジャマー付属 | – | ¥10,000 |
プロ用の音響機器を多数扱う日本のメーカー、タスカムが一眼カメラ用に開発した外部マイクです。
一番の特徴はX-Y方式の指向性マイクが採用されている点です。ステレオだと周りの音はしっかり拾えるものの、正面の音が拾いにくという弱点があるですが、X-Y方式が採用されているおかげで、正面の狙った音もしっかりと記録することができます。
また、ノイズアイソレーションアームというマイクとカメラの距離を離すパーツが付属しており、カメラやレンズの駆動音の低減により効果を発揮します。
オーディオテクニカ AT9946CM
指向特性 | 重量 | 電源 |
単一指向性×2 超指向性×1 / ステレオ | 60g | プラグインパワー方式 |
風防 | ショックマウント | 値段 |
ウィンドジャマー付属 | あり | ¥10,500 |
マイク本体の中央部分には超指向性マイクを1つ、サイドには単一指向性のマイク2つを搭載したMS方式のマイクになります。
MS方式だと周囲の音をステレオで収音しつつ、前方の音もしっかりと記録することもできるので、バランスが良く扱いやすいマイクに仕上がっています。
また、60gという小型軽量でありながら、ショックマウント機構がついてたり、ローカットスイッチで雑音の低減ができるなど、機能面も充実しています。
ソニー ECMXYST1M
指向特性 | 重量 | 電源 |
0°~120°指向性切替型 / ステレオ | 100g | プラグインパワー方式 |
風防 | ショックマウント | 値段 |
ウィンドジャマー付属 | – | ¥14,000 |
ソニーのマルチインターフェイスシュー(MIシュー)に対応した外部マイクであり、ソニーの一眼カメラやビデオカメラを使用している人にはオススメの外部マイクです。
また、マイクの角度を変更できるのが特徴で、マイクを前に向ければ前方の音をしっかり録音することができ、逆にマイクの角度を広げてあげればより臨場感のある音を集音することができます。
オーディオテクニカ AT9945CM
指向特性 | 重量 | 電源 |
単一指向性 / ステレオ | 約80g | プラグインパワー方式 |
風防 | ショックマウント | 値段 |
ウィンドジャマー付属 | あり | ¥14,200 |
上記で紹介したAT9946CMと同じオーディオテクニカ製のステレオマイクで、AT9946CMがMS方式なのに対し、AT9945CMはXY方式が使われています。
XY方式だとMS方式よりもステレオ感が強くなりますので、より臨場感のある音を録ることができます。
屋外やコンサート会場など広い空間で録音したいという状況にオススメです。
TASCAM DR-10SG
指向特性 | 重量 | 電源 |
超指向性 / モノラル | 110g | 単4形電池1本 |
風防 | ショックマウント | 値段 |
ウィンドスクリーン付属 | あり | ¥25,000 |
一眼カメラ用の外部マイクとしては珍しく、ショットガンマイクとPCMレコーダーが一体になった製品です。
他の外部と同じようにマイクで拾った音をカメラ側で記録できるのはもちろん、マイクで拾った音をマイク本体に記録することも可能です。
一般的に、外部マイクをカメラを繋げて録音するとどうしてもホワイトノイズが乗ってしまうのですが、この製品は音をマイク本体に記録できるのでホワイトノイズを大幅に軽減してくれるというメリットがあります。
アツデン SMX-30
指向特性 | 重量 | 電源 |
モノラル(超指向性) / ステレオ(単一指向性) | 145g | 単3電池2本 |
風防 | ショックマウント | 値段 |
ウィンドスクリーン付属 | あり | ¥25,000 |
このマイクには超指向性のモノラルマイクと、120度の角度で配置されたステレオマイクの両方が搭載されており、状況に合わせて簡単にモノラルとステレオが切り替えられる仕組みになっています。
いままでは撮影環境に合わせてモノラルとステレオの2つのマイクを用意しなければいけなかったのが、1台で済むようになるというのは大きなメリットになるかと思います。
ステレオとモノラルの両方を使えるマイクは最近増えてきており、他にはオーディオテクニカのAT8024が該当します。
RODE VideoMic Pro+
指向特性 | 重量 | 電源 |
単一指向性 / モノラル | 122g | 電池 / USB / 内蔵バッテリー |
風防 | ショックマウント | 値段 |
ウィンドスクリーン付属 | あり | ¥35,000 |
もともと人気の高かったVideoMic Proの後継機であり、マイクカプセルの改良、自動ON/OFF機能、2段ハイパスフィルター、電源オプションの追加など様々な改良が加えられています。
特に電源オプションは単3形電池2本、USB給電、内臓バッテリーの3種類も使えるようになっており、他メーカーのマイクにはない便利さです。
指向性が高く、音質の良さは言うまでもないのですが、豊富な機能と操作性の良さでも大変優秀なマイクに仕上がっています。
Sennheiser MKE440
指向特性 | 重量 | 電源 |
単一指向性 / ステレオ | 165g | 単4電池2本 |
風防 | ショックマウント | 値段 |
別売り | あり | ¥40,000 |
ドイツの有名音響機器メーカーであるゼンハイザーの外部マイクです。ゼンハイザーはプロ用のショットガンマイクも数多く開発していますが、これは一眼カメラに装着して使用することを想定して作られてた製品になります。
電源は単4電池2本で100時間の連続使用が可能で、内蔵ショックマウントのほか、ローカットフィルターや感度調節機能も備わっています。ただ、ウィンドシールドは付属していないので別途購入する必要があります。
独特なVの字の形状をしていますが、鋭い指向性をもっており、前方方向の音をクリアなステレオで録音がすることができます。
この動画は、MKE440をソニーのミラーレス一眼α7rIIに装着して使用した際のレビュー動画です。室内ではホワイトノイズもなくクリアで綺麗な音が録音できており、屋外でも人の話す声をしっかり拾っているのがわかります。
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以下の記事は一眼カメラにも使えるワイヤレスマイクについて紹介しています。
動画撮影に使えるワイヤレスマイクの選び方
https://unknownvideo.info/?p=2576
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